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過去最多 不登校児童

 文部科学省は、病気や経済的理由などとは異なる要因で30日以上登校せず「不登校」と判断された小中学生は24万4940人、小中高と特別支援学校のいじめの認知件数は61万5351件で、ともに過去最多だった。


 新型コロナウイルス禍による行動制限などで、人間関係や生活環境が変化したことが影響したとみており、「心のケアを中心とした早期の対策が必要だ」としている。


 小中学校で1000人当たりの不登校の児童生徒数は平均25・7人となり、都道府県でばらつきもあった。最も多かったのは高知の31・2人で、宮城の30・3人、島根の29・9人が続いた。一方、最も少ないのは福井の17・8人で、文科省の担当者は「早期対応に力を入れているかどうかなど自治体ごとの対策が反映されている可能性がある」と分析する。


 いじめの認知件数は全校種合わせ61万5351件で、新型コロナによる影響などで大幅減少した前年度の51万7163件から一転し過去最多になった。小中の増え幅が特に大きく、小学校で18・9%増の50万562人、中学校で21・1%増の9万7937人だった。全国一斉休校が明けて部活動や学校行事の活動が再開され、子ども同士の交流の機会が増えたことなどが要因だという。


 態様別では「冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる」が57・8%と最も多く、「軽くぶつかられたり、遊ぶふりをしてたたかれたり、蹴られたりする」(22・9%)、「仲間はずれ、集団による無視をされる」(12%)と続いた。06年度の調査開始から増加を続ける「パソコンや携帯電話等で、ひぼう・中傷や嫌なことをされる」は、全体で2万1900件(3・6%)となり過去最多を更新した。


 生命や心身などに重大な被害が生じた疑いがあったり、長期欠席を余儀なくされたりするいじめの「重大事態」の発生件数も前年度から191件と大幅に増加し、705件を記録。最も多かった19年度の723件に次ぐ件数となった。同省児童生徒課は、不登校やいじめの増加傾向に歯止めがかからないことについて「新型コロナによる生活環境の変化が子どもたちの行動に大きな影響を与えている」と分析。「今後は心のケアをはじめ、相談体制の充実など取り組みを推進していく必要がある」としている。

 暴力行為の発生件数は小中高で前年度から15・5%増えて7万6441件。高校は横ばいの一方、小中で増加幅が大きく、小学校は17・2%増の4万8138人、中学校は14・8%増の2万4450人。自殺者は小中高で368人となり、過去最多の前年度から47人減った。

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